今年度から札幌牛舎で本格稼働しているU-motionですが、本校での利用開始は乳牛ではなく、肥育牛舎での導入が先でした。
黒毛和種の肥育を開始する際に、以下の管理に有効でした。
①肥育末期の起立不能による事故死を防ぐために起立不能アラートがあるU-Motionは、非常に有効でした。
②採食管理ができる機能も食い込みが把握でき、ビタ欠の状態も見ることができ、肉質の向上にも役立ちました。
(実際、本校で出荷した7頭の肥育牛達は、全てA-5等級でした。)
札幌牛舎は、御存知のように繋ぎ牛舎です。 特に今のように雪が多くなってくると外のパドックには出せなくなってしまうので、発情を見つけ出すのが難しくなってしまいます。 24時間の行動を監視できるU-Motionは、繋いだ状態でも発情を見つけ出してくれる為、発情の見逃しが減り、大変有効なツールです。(基準値を超えるとアラートで教えてくれます。)また、鈍性の発情でも波形を見ることで予測することも可能となり、繁殖障害も早めの対応が可能となりました。
写真1 発情指数のグラフエモジ🐄🐄🐄🐄🐄🐄🐄🐄🐄🐄🐄🐄
更に、この冬にオプションの分娩探知のセンサーも導入しました。これは、一般的な体温を計測したり陰部に注入したりするものでなく、尻尾に装着するタイプになります。 尻尾に装着?とその機能に疑いの眼差しが無かったわけではないのですが、違った意味で期待を裏切ってくれました。
写真2 赤いテープの下にセンサーがある🐃🐃🐃🐃🐃🐃🐃🐃🐃
大体、1次破水の頃合いに最初のアラートが入り、2次破水の前に位に2度目のアラートが入ってきます。体温を取っているわけではないので、半日前にお知らせみたいな感じでは使えませんが、24時間の生体監視をしているので、そちらで見つけだすことは可能です。産道の落ち具合や乳房の張り具合で分娩が近いことは分かりますが、夜中に何回もカメラで確認する必要がなくなりました。
今年度は、パソコンと職員の携帯のみの対応でしたが、来年度から学生用のタブレットを導入してU-Motionを見れるようにする予定です。けれども、センサーに頼らず、センサーより先に牛の状態を判断できるような学生に是非育ってほしいと期待しております。